
旅行前に知っておきたいタヒチの言語事情
タヒチの公用語は、フランス語とタヒチ語ですが、海外からの観光客も多いことから英語や、日本語が通じる場所も多いです。
また、パペーテの街の案内標識はフランス語、英語と合わせて、日本語もあるので、わかりやすいでしょう。レストランのメニューもフランス語表記のところが多いのですが、一部のレストランやホテルのレストランでは、英語のメニューや、場合によっては日本語メニューを用意しているところもあります。
またパペーテなど、特に観光客が多い地域には英語を話すことのできる一般の方も多いので、街中で何か困ったことがあったら話しかけてみましょう。ホテルに関しては、主要なリゾートには日本人スタッフがおり、不在のリゾートでも日本語が話せるスタッフがいるケースもあります。
タヒチの人々はとても友好的で温かいため、例え言葉がわからなかったとしても会話を理解しようと耳を傾けてくれますし、英語がわかる知り合いを連れてきてくれる可能性もあるので、それほど心配はいりません。不安な方は翻訳機を用意することも検討してみてはいかがでしょうか。
タヒチ語の特徴
現地では、すべての方が会話でタヒチ語を使っているのかというとそうではなく、フランス語で会話をする方が多いです。特に若い世代の方はフランス語を使うことが多いのですが、反対に年配の方は今でもタヒチ語で話をする方も多いです。
タヒチ語の単語自体はそれほど難しいわけではないのですが、日本ではあまりなじみのない声門閉鎖音が使われているのが特徴になります。声門閉鎖音とは、発音をする際の出だしで息をとめ、のどを閉める際に発生する音のことです。
「’」(アポストロフィ)で表記し、例えば後ほどご紹介する「'aita pe' ape'a(大丈夫)」でも使われています。

次の音を強調する形で発音をするので、きちんと発音したい場合は事前に練習をしていくのもおすすめです。
それから、アクセントマークとして「ā、ē、ī、ō、ū」がつくものに関しては、母音を伸ばして発音することを覚えておきましょう。
少し発音が異なるだけで全く意味が変わってくることもあるので、自分で言ったことが相手にうまく伝わっていないなと感じたら確認してみてください。

タヒチの旅先でよく使うタヒチ語フレーズ
実際にタヒチに行く前に、現地で使うことの多い言葉を覚えていくのもおすすめです。簡単なあいさつだけでも覚えていくと、現地の方とコミュニケーションを取るのにも役立ちます。
覚えておきたい代表的なタヒチ語のフレーズや単語をご紹介しましょう。
タヒチ語のあいさつ
特におさえておきたいのがあいさつです。
Ia Orana(イアオラナ)おはよう・こんにちは・こんばんは
mauruuru(マルル)ありがとう
Nana(ナーナ)さようなら
日本の場合は時間帯によってあいさつが異なりますが、タヒチではどの時間帯のあいさつも「イアオラナ」で済むのが特徴です。
また、現地でなにか助けてもらうこともあるかもしれないので、「ありがとう」など基本のあいさつはチェックしておくことをおすすめします。


タヒチ語の日常会話
次のようなフレーズがよく使われています。
'aita pe' ape'a(アイタペアペア)→ 大丈夫
ra’i(ライ)→ 空
miti(ミティ)→ 海
‘E(エ)→ はっきりとした肯定
‘A(ア)→ 曖昧(多分)な肯定
‘Aita(アイタ)→ 通常の否定
E’ita(エイタ)→ はっきりとした否定
また、夫や男性を表す「tane(タネ)」と、妻・女性を表す「vahine(ヴァヒネ)」はトイレのドアでよく目にするので、覚えておいたほうが良いです。
タヒチ語で大丈夫という意味を持つ「アイタペアペア」は様々なシーンで使われます。他にも、問題ない、気にしないで、気楽に行こうなどの意味もあるので、おおらかな性格の方が多いタヒチだからこそ、多くの場面で使われているともいえるでしょう。
同じく南国である沖縄で「なんとかなるさ」の意味を持つ「なんくるないさー」と同じような意味で使われる言葉です。
また「はい・いいえ」については、ご紹介したようにニュアンスによって表現に違いがあるので、確認してみてください。
タヒチ語の食べ物関連
食べ物関連でおさえておきたいフレーズは以下の通りです
mā'a(マア)→ ご飯・食事・その他食べ物全般
tama’a maita’i(タマアマイタイ)→ いただきます
mona mona(モナモナ)→ おいしい
fāfā(ファファ)→ タロイモの新芽
fe'i(フェイ)→ 加熱用のバナナ
mā'aは、「mā'a tahiti(マア・タイチ)…伝統的なタヒチ料理」のように使われることもあります。


タヒチ語の体の部位
代表的な体の部位をご紹介します。
mata(マタ)→ 顔
upo'o(ウポッオ)→ 頭
ʻāvae(アヴァエ)→ 足
vaha(ヴァハ)→ 口
ʻōpū(オプー)→ お腹
ジェスチャーなどでも伝えやすいですが、単語として覚えておいて損はありません。
旅先で便利なフランス語の数字
タヒチではフランス語が多く使われているので、フランス語での数字の表現を覚えておくと良いでしょう。料理を注文する際や買い物に行った際に希望の数を伝えたり、値段などを聞いたりする際に役立ちます。
まず、1~20についてです。
1…un(アン)、2…deux(ドゥ)、3…trois(トロワ)、4…quatre(キャトル)、5…cinq(サンク)、6…six(シス)、7…sept(セット)、8…huit(ユイット)、9…neuf(ヌフ)、10…dix(ディス)、11…onze(オーンズ)、
12…douze(ドゥーズ)、13…treize(トレーズ)、14…quatorze(キャトーズ)、15…quinze(キャーンズ)、16…seize(セーズ)</li>、17…dix-sept(ディセット)、18…dix-huit(ディズイット)、19…dix-neuf(ディズヌフ)、20…vingt(ヴァン)


続いて21~69についてです。
例えば21~29の場合、20(vingt(ヴァン)の後ろに一の位をつけましょう。
例)
26… vingt-six(ヴァンシス)
30~60も同じで、以下の通りとなります。
30…trente(トラント)
40…quarante(キャラント)
50…cinquante(サンカント)
60…soixante(スワサント)
一の位が1の時のみ
「41…quarante et un(キャラン テ アン」
のように間に「et」が入ります。
なお、70~99は10 進法で数える日本とは異なり20進法の要素が入ることから覚えるのは難しいです。間違って伝えたり理解しても大変なので、都度確認すると安心できるでしょう。翻訳機を活用するのもおすすめです。
困ったときに使えるフランス語
トラブルが起きたり、困ったことがあったりした際に使えるフレーズをいくつか覚えておくと安心です。タヒチ語は若い人には伝わらないことがあるので、フランス語についてご紹介します。
トイレはどこですか?…Où sont les toilettes?(ウ・ソン・レ・トワレットゥ)
救急車を呼んでください…Appelez une ambulance, s’il vous plaît.(アプレ・ユヌ・アンビュランス・シルヴ・プレ)
警察を呼んでください…Appelez la police, s’il vous plaît.(アプレ・オゥ・ポリス・シルヴ・プレ)
体調(具合)が悪い…Je ne me sens pas bien.(ジェ・ネ・メ・サン・パ・ビエン)

困ったことがあった時、フランス語やタヒチ語がよくわからないと周りになんといって助けを求めれば良いのかわからず戸惑ってしまいますが、タヒチの人々はとてもやさしい人ばかりなので、言葉が伝わらなくても助けてくれます。ジェスチャーだけでも伝わることは多いので、慌てることなく、近くにいる人に話し掛けて力になってもらいましょう。

日本語と似ている発音のタヒチ語
タヒチ語の中には、日本語の発音と似ているものがいくつかあります。ただ、意味は異なるので、注意しておかなければなりません。
例えば、以下のようなものがあります。
猫…ミミ
犬…ウリ
飲む…イヌ
王様…アリ
また、乳(チチ)、穴(アナ)と発音が同じものもありますが、ごく一部です。日本語に似ている発音の単語を探してみるのも楽しいのではないでしょうか。